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せん閣群島問題 近く国府側と話し合い
原文表記
せん閣群島問題 近く国府側と話し合い
南西新報 昭和四十五年九月十一日
せん閣列島問題は、台湾政府の鬼道明外交部長が、主権は台湾にあることを言明したり、魚釣島に台湾水産試験所の船が晴天白日旗を立てるなどの事件があり、これまでの大陸ダナ問題から島の領有そのものをめぐる争いに発展している。本土政府は、さる三日、板垣大使を通じて、せん閣列島周辺の大陸ダナ問題について要望を台湾政府に申し入れ台湾側も同意したため、近く話し合いにはいることになつている。
現在帰国中の板垣大使が語つたところによると、台湾側は具体的にはまだなにもいつていないが、おそらく台湾漁民がこれまで、同諸島で操業しているので、それを根拠に主張してくるのではないかと言つており、今後の交渉でも、領有の歴史的事実をめぐつてかなりもめそうな形勢である。
板垣大使としては、帰国中に、日本の領有を主張する資料についても整えるほか交渉にのぞむ基本的な方針について、充分討議することにしている。
なお同大使は、外務省で開かれている本年度アジア・太平洋地域大使会議に出席するため帰国しているが、同大使会議が今週中におわるので、来週にも外務省アジア局、アメリカ局、条約局と会議を開き、せん閣列島問題について協議する。すでに、外務省アジア局中国課では、この問題に関する資料を集めているといわれる。
現代仮名遣い表記
せん閣群島問題 近く国府側と話し合い
南西新報 昭和四十五年九月十一日
せん閣列島問題は、台湾政府の鬼道明外交部長が、主権は台湾にあることを言明したり、魚釣島に台湾水産試験所の船が晴天白日旗を立てるなどの事件があり、これまでの大陸ダナ問題から島の領有そのものをめぐる争いに発展している。本土政府は、さる三日、板垣大使を通じて、せん閣列島周辺の大陸ダナ問題について要望を台湾政府に申し入れ、台湾側も同意したため、近く話し合いにはいることになっている。
現在帰国中の板垣大使が語ったところによると、台湾側は具体的にはまだなにもいっていないが、おそらく台湾漁民がこれまで、同諸島で操業しているので、それを根拠に主張してくるのではないかと言っており、今後の交渉でも、領有の歴史的事実をめぐってかなりもめそうな形勢である。
板垣大使としては、帰国中に、日本の領有を主張する資料についても整えるほか、交渉にのぞむ基本的な方針について、充分討議することにしている。
なお同大使は、外務省で開かれている本年度アジア・太平洋地域大使会議に出席するため帰国しているが、同大使会議が今週中におわるので、来週にも外務省アジア局、アメリカ局、条約局と会議を開き、せん閣列島問題について協議する。すでに、外務省アジア局中国課では、この問題に関する資料を集めているといわれる。