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尖閣群島問題 領土、領海、鉱業権で / 行政府が基本方針を近く明示
原文表記
せん閣群島問題 領土、領海、鉱業権で 行政府が基本方針を近く明示
国際法及び慣例で効力は疑問視
南西新報 昭和四十五年九月四日
せる閣群島油田は世界最大のアラビア油田にも匹敵するといわれるだけに台湾国府の領有権の主張 採掘権の許可、日本外務省の国府側への領土權の申し入れや米国政府への了解取り付けなど国際問題の様想を濃くしている折柄―琉球政府でもこの石油採掘をめぐり領土權、鉱業権についてこれまでの調査研究をまとめ政府の基本方針を来週早々発表する。
しかし地元沖繩側の領有権の主張がこれまでの国際法及び国際慣例からどのような効力があるか一方では疑問視されている。
せん閣群島周辺の海底油田をめぐり、国府政府が領有権を主張、同油田の採掘権をガルフ社に許可したことを重視した本土政府は、国府政府との折衝に乗り出す構えをみせているが、琉球政府でも来週早々に領有権宣言を行なうため領土權領海権、採掘権の問題について調査研究を進めている行政府では、この調査結果の結果を今週一ぱいにまとめ来週早々に同群島の領有権、領海権、鉱業権について基本方針を発表することになつた。
一、領有権―同群島の領有については明治十七年沖繩県人によつて発見され、同二十九年に石垣市の行政区域に編入されている。
しかし台湾国府政府はカイロ宣言にもとづく琉球諸島の割壊とそれに伴う同群島の領有を主張している。
この国府の領有の主張は琉球王国を自国の属領と見なしてきた歴史的過程に根ざすもので日華事変の発端となつた抗日二十九ケ条の中にも琉球の奪還ということがうたわれ、歴史的な領有権主張にもとづくものとしている。
一、領海権―大陸ダナ条約にもとづいて領海権は当然国府にあるとしているが同条約六条で当事国間で問題が発生した場合には、その中間点を領有境界にするとの規定があり当然この規定に準拠するべきだとしているが日本は、同条約に加盟していない。
一、採掘権―これまでに提出された鉱業権の取得申請は中間点から同群島よりに位置しており大陸ダナ法により開発は可能―
しかし台湾の国府はさきにガルフ社に採掘権を許可しているため琉球政府でも現在沖繩人から提出された採掘申請を早急に処理する方針を明かにしているが復帰の時点までに許可できるかどうか危ぶまれている。
現代仮名遣い表記
せん閣群島問題 領土、領海、鉱業権で 行政府が基本方針を近く明示
国際法及び慣例で効力は疑問視
南西新報 昭和四十五年九月四日
せん閣群島油田は世界最大のアラビア油田にも匹敵するといわれるだけに、台湾国府の領有権の主張、採掘権の許可、日本外務省の国府側への領土権の申し入れや米国政府への了解取り付けなど、国際問題の様想を濃くしている折柄―琉球政府でもこの石油採掘をめぐり領土権、鉱業権についてこれまでの調査研究をまとめ、政府の基本方針を来週早々発表する。
しかし地元沖縄側の領有権の主張がこれまでの国際法及び国際慣例からどのような効力があるか一方では疑問視されている。
せん閣群島周辺の海底油田をめぐり、国府政府が領有権を主張、同油田の採掘権をガルフ社に許可したことを重視した本土政府は、国府政府との折衝に乗り出す構えをみせているが、琉球政府でも来週早々に領有権宣言を行なうため領土権領海権、採掘権の問題について調査研究を進めている行政府では、この調査結果の結果を今週一ぱいにまとめ来週早々に同群島の領有権、領海権、鉱業権について基本方針を発表することになった。
一、領有権―同群島の領有については明治十七年沖縄県人によって発見され、同二十九年に石垣市の行政区域に編入されている。
しかし台湾国府政府はカイロ宣言にもとづく琉球諸島の割譲とそれに伴う同群島の領有を主張している。
この国府の領有の主張は琉球王国を自国の属領と見なしてきた歴史的過程に根ざすもので、日華事変の発端となった抗日二十九ヶ条の中にも琉球の奪還ということがうたわれ、歴史的な領有権主張にもとづくものとしている。
一、領海権―大陸ダナ条約にもとづいて領海権は当然国府にあるとしているが、同条約六条で当事国間で問題が発生した場合には、その中間点を領有境界にするとの規定があり当然この規定に準拠するべきだとしているが、日本は、同条約に加盟していない。
一、採掘権―これまでに提出された鉱業権の取得申請は中間点から同群島よりに位置しており大陸ダナ法により開発は可能―
しかし台湾の国府はさきにガルフ社に採掘権を許可しているため、琉球政府でも現在沖縄人から提出された採掘申請を早急に処理する方針を明かにしているが、復帰の時点までに許可できるかどうか危ぶまれている。