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せん閣列島の石油鉱業権/ 三つどもえの争い

掲載年月日:1969/12/3(水) 昭和44年
メディア:南西新報 2面 種別:記事

原文表記

せん閣列島の石油鉱業権 三つどもえの争い
南西新報 昭和四十四年十二月三日

せん閣列島の石油をねらつた鉱業権は、那覇市在住の新里景一氏の出願で、ペルシヤ資源開発KK(大見謝恒寿社長)と日本石油開発公団を含めて三つどもえとなつたが、新里氏名義の出願が、さらに約五千六百七十件追加された。同氏名義の出願は、すでに五百三件なされており、これで合計六千百七十余件にふえ、せん閣列島の利権争いはシーソーゲームを演じた格好となつた。
これで、ペルシヤ資源開発会社の五千二百件、日本石油公団の七千六百件を含めて一万八千九百七十余件となり、地域的に重複することも考えられるが、通産局工業課では、いまのところ手のつけようがないといつた感じである。
ところで鉱業権の出願は一件につき十四ドルの手数料(印紙)の添付が必要であり、一日、申請された分だだけでも約八万ドルの金を積んだことになる。これまでに出た出願の印紙を合計すると約二十六万四千ドルに達し、しかも、申請が認められて登録される時点で試掘権が、一件当り十六ドル五十セントの登録税が課され、さらに採掘権の段階では、一件当たり三十三ドルも課税されることから膨大な金が動くわけで、それだけにせん閣列島への関心が強いことを示している。

現代仮名遣い表記

せん閣列島の石油鉱業権 三つどもえの争い
南西新報 昭和四十四年十二月三日

せん閣列島の石油をねらった鉱業権は、那覇市在住の新里景一氏の出願で、ペルシャ資源開発KK(大見謝恒寿社長)と日本石油開発公団を含めて三つどもえとなったが、新里氏名義の出願が、さらに約五千六百七十件追加された。同氏名義の出願は、すでに五百三件なされており、これで合計六千百七十余件にふえ、せん閣列島の利権争いはシーソーゲームを演じた格好となった。
これで、ペルシヤ資源開発会社の五千二百件、日本石油公団の七千六百件を含めて一万八千九百七十余件となり、地域的に重複することも考えられるが、通産局工業課では、いまのところ手のつけようがないといった感じである。
ところで鉱業権の出願は一件につき十四ドルの手数料(印紙)の添付が必要であり、一日、申請された分だけでも約八万ドルの金を積んだことになる。これまでに出た出願の印紙を合計すると約二十六万四千ドルに達し、しかも、申請が認められて登録される時点で試掘権が、一件当り十六ドル五十セントの登録税が課され、さらに採掘権の段階では、一件当たり三十三ドルも課税されることから膨大な金が動くわけで、それだけにせん閣列島への関心が強いことを示している。