キーワード検索

せん閣群島 学界に新風/ 深海に二万年前の貝殼層

掲載年月日:1969/7/9(水) 昭和44年
メディア:南西新報 1面 種別:記事

原文表記

せん閣群島 学界に新風 深海に二万年前の貝殼層
東海大学丸の石油資源調査結果は二年後に
南西新報 昭和四十四年七月九日

米軍の爆撃演習場だつたせんかく群島は、本土政府の調査によつて、大陸ダナによる油田層があるのでないかと一躍国際間の注目を集める海底資源の群島として注目されてきた。 
本土政府が派遣した東海大学丸二世は六月二十日から七月五日までの調査を終え八日那覇港に二十日ぶりで帰港した。
新野団長は、これまで学界のナゾとされていたのを解く足がかりを築いた油田層の有無は一、二年後に明らかにされるだろうと、せんかく群島のベールを抜いだせんかく群島の油田は、アメリカの学者によつて予想が二十年前に発表されただけで国際間での調査は大陸ダナだけしか手がけられていなかつた。
学界から注目されていた同群島の調査は、これまで二回に亘る予備調査を足がかりに本土政府によつて六月二十日、東海大学丸二世によつて手がつけられた。
せんかく群島の調査は石垣港を中継に行なわれ、去つた五日第一回の本格調査を終り東海大丸二世は八日那覇港に帰港した。
新野団長は、これまでの学術調査結果の骨子を次のように述べた。
海底の学術調査は、魚釣島を主体に行なつた。
深海地質の調査結果はこれまでの資料をコンピユーターにかけなければならないので一、二年後にしか明らかにされないだろう。
こんどの調査によつて、二千七百四十六キロの海底の地質が明らかにされたのは大きな成果だつた。
海底は厚い層に履われ、しんせい岩と二万年前から一万五千年前の貝ガラの層が発見されたのは学界に新風を送り込むであろう。
せんかく群島の調査は今後も進めていきたい。

現代仮名遣い表記

せん閣群島 学界に新風 深海に二万年前の貝殼層
東海大学丸の石油資源調査結果は二年後に
南西新報 昭和四十四年七月九日

米軍の爆撃演習場だったせんかく群島は、本土政府の調査によって、大陸ダナによる油田層があるのでないかと一躍国際間の注目を集める海底資源の群島として注目されてきた。 
本土政府が派遣した東海大学丸二世は、六月二十日から七月五日までの調査を終え、八日那覇港に二十日ぶりで帰港した。
新野団長は、これまで学界のナゾとされていたのを解く足がかりを築いた油田層の有無は一、二年後に明らかにされるだろうと、せんかく群島のベールを抜いだせんかく群島の油田は、アメリカの学者によって予想が二十年前に発表されただけで、国際間での調査は大陸ダナだけしか手がけられていなかった。
学界から注目されていた同群島の調査は、これまで二回に亘る予備調査を足がかりに本土政府によって六月二十日、東海大学丸二世によって手がつけられた。
せんかく群島の調査は石垣港を中継に行なわれ、去った五日第一回の本格調査を終り、東海大丸二世は八日那覇港に帰港した。
新野団長は、これまでの学術調査結果の骨子を次のように述べた。
海底の学術調査は、魚釣島を主体に行なった。
深海地質の調査結果はこれまでの資料をコンピューターにかけなければならないので一、二年後にしか明らかにされないだろう。
こんどの調査によって、二千七百四十六キロの海底の地質が明らかにされたのは大きな成果だった。
海底は厚い層に履われ、しんせい岩と二万年前から一万五千年前の貝ガラの層が発見されたのは学界に新風を送り込むであろう。
せんかく群島の調査は今後も進めていきたい。