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黄金猟奇朗話、久場島? 大正島? / 謎々 キッドを繞り議論區々
原文表記
黄金猟奇朗話、久場島? 大正島? 謎々
キッドを繞り議論區々
海南時報 昭和十二年二月二十日
ゴールド ラツシユの波に乘つて三億四千万圓の財寶は世界を黄金猟奇朗話に巻き込んでゐるが 琉球列島でも議論区々あり いやが上にも探檢欲をあふつてゐるが 尖閣列島黄尾嶼の所有權者古賀商會の八重山支店の照屋専務は往訪の記者に黄尾嶼を否定して左の如く語る
夢見たやうな話しであるが猟奇をそゝることは確かに百%だ 然し横尾嶼ぢやないと思ふ 仝島は餅を重ねたやうな島で全島燃礦■■の店で相當試掘したことがある キッドの圖面を見ると久葉島(一名魚釣り島)が地勢は以てゐる 私は二三度行つたことがあるが 久葉島には店の事務所を■■明治の末期は開墾と鳥のハク製 漁業をし小學校もあつたが今は事務所もその儘になつて居りこゝ四 五年は向ふに行つたことはない 槙が鬱そうとして緊茂して居り信天翁 目白 トカゲ等が捿息してゐる 海岸は屹立して冬の航海は困難です 私は尖閣列島なら久葉島と思ふ
仝氏は黄尾嶼でなく久葉島に軍配をあげてゐる■一方仝氏は大正島(宮古郡に属す)も地勢か酷似して居り兩島を候補地■推してゐるガ 近く探檢■乘り込むと流石に末だ見ぬ花嫁でも迎へるの感で嬉びに輝いて語った 何せ久葉島も黄尾嶼も石垣島より北に九十浬■無人島であるガ石垣町字登野城に含れて居り一摑巨萬の謎の財寶を繞つて興味深々たるものガある
現代仮名遣い表記
黄金猟奇朗話、久場島? 大正島? 謎々
キッドを繞り議論区々
海南時報 昭和十二年二月二十日
ゴールドラッシュの波に乗って三億四千万円の財宝は世界を黄金猟奇朗話に巻き込んでいるが、琉球列島でも議論区々あり、いやが上にも探検欲をあおっているが、尖閣列島黄尾嶼の所有権者古賀商會の八重山支店の照屋専務は往訪の記者に黄尾嶼を否定して左の如く語る。
夢見たような話しであるが猟奇をそゝることは確かに百%だ。然し横尾嶼じゃないと思う。同島は餅を重ねたような島で全島燃鉱■■の店で相当試掘したことがある。キッドの図面を見ると久葉島(一名魚釣り島)が地勢は以ている。私は二、三度行ったことがあるが、久葉島には店の事務所を■■明治の末期は開墾と鳥のハク製、漁業をし、小学校もあったが、今は事務所もその儘になって居り、こゝ四、五年は向うに行ったことはない。槙が鬱そうとして緊茂して居り、信天翁、目白、トカゲ等が捿息している。海岸は屹立して冬の航海は困難です。私は尖閣列島なら久葉島と思う。
同氏は黄尾嶼でなく久葉島に軍配をあげている■一方同氏は大正島(宮古郡に属す)も地勢が酷似して居り、両島を候補地■推しているが、近く探検■乗り込むと流石に末だ見ぬ花嫁でも迎えるの感で嬉びに輝いて語った。何せ久葉島も黄尾嶼も石垣島より北に九十浬■無人島であるが、石垣町字登野城に含れて居り、一摑巨万の謎の財宝を巡って興味深々たるものがある。