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◎水產品評會及び講習会の授與式
原文表記
◎水產品評會及び講習會の授與式
昨日午後一時より儉徳舘に於て水產品評會の褒賞授與式及び漁船機關士の修業証書授與式を行ふ大村技師別記の如き審査申告書を朗續して三十七名の受賞者に褒賞を授け参考品出品者に謝狀を贈呈したる後永田内務部長左の式辭を代續せり
式 辭
沖繩縣水產組合第一回水產品評會審査結了を告げ本日を以て茲に褒章授與式を擧ぐ
本縣の水產業は輓近著しく■達し其產額も亦年と共に增加しつゝあり■是れ營業者奮勵の効果にして洵に慶賀する所なり
夫れ鰹漁業は縣下水產業中極めて有望の事業にして營業者奮勵の結果逐年良好の成績を擧げつゝあるも鱶鰭鰑は輸出品として好適のものなるにも拘らず未だ遅々として舊套を脫せどるの感なり其製造乾燥等に關して更に改善の必要あるを認む今回の出品を緃覽するに■点數に於ては僅少たるを免れずと雖之を從來の製品に比較すれば進歩の蹟あるを認む然りと雖斯業の前途は尚悠遠にして時勢の進運は其發達を促す事■だ急なり當業者諸子庶幾くは審査の成績に鑑み採長補短更に一段の研鑽を積益々奮勵せられん事を聊か所感を述べて式辭と爲す
明治十四年一月二十八日
沖繩縣知事從四位勲二等■日出重明
次で橋本課長は組長の祝辭を代讀し照屋林顯氏の出品人総代としての答辭代讀しり之にて品評會の授與式を終し漁船機關士講習會の修業証書授與式に移り橋本氏組長の式辭を代續し三十五名の修業者及び九名の優等者夫■証書を授與し生徒総代の答辭朗讀ありて式を閉ぢ■同陳列所内の水產品評會を緃覽したり品評會の授賞者は左の如く
一等賞 鰹節 糸滿町 玉城保太郞
仝 鰑 玉城村 知念蒲八
仝 仝 仲里村 松茂良與佐
二等賞 鰹節 座間味 與那嶺松雄
仝 仝 那覇 照屋林顯
仝 鰑 仲里村 安谷屋周廣
仝 鱶鰭 玉城村 仲平小十
仝 仝 玉城村 嶺井眞藏
三等賞 鰹節五名、鰑二名、海參一名、鱶鰭一名
四等賞 鰹節三名、鰑四名、鱶鰭二名
五等賞 鰹節二名、鰑六名、鱶鰭■名
現代仮名遣い表記
◎水産品評会及び講習会の授与式
昨日午後一時より、倹徳館に於て水産品評会の褒賞授与式及び、漁船機関士の修業証書授与式を行う。大村技師別記の如き審査申告書を朗続して、三十七名の受賞者に褒賞を授け、参考品出品者に謝状を贈呈したる後、永田内務部長左の式辞を代続せり
式 辞
沖縄県水産組合第一回水産品評会審査結了を告げ、本日を以て茲に褒章授与式を挙ぐ。
本県の水産業は輓近著しく■達し其産額も亦年と共に増加しつつあり、■是れ営業者奮励の効果にして洵に慶賀する所なり。
夫れ鰹漁業は県下水産業中極めて有望の事業にして営業者奮励の結果、逐年良好の成績を挙げつつあるも鱶鰭鰑は、輸出品として好適のものなるにも拘らず、未だ遅々として旧套を脱せどるの感なり、其製造乾燥等に関して更に改善の必要あるを認む。今回の出品を緃覧するに■点数に於ては、僅少たるを免れずと、雖之を從来の製品に比較すれば、進歩の跡あるを認む。然りと雖斯業の前途は、尚悠遠にして時勢の進運は、其発達を促す事■だ急なり当業者諸子庶幾くは、審査の成績に鑑み、採長補短更に一段の研鑚を積、益々奮励せられん事を些か所感を述べて式辞と為す。
明治十四年一月二十八日
沖縄県知事従四位勲二等■日出重明
次で橋本課長は、組長の祝辞を代読し照屋林顕氏の出品人総代としての答辞代読しり、之にて品評会の授与式を終し、漁船機関士講習会の修業証書授与式に移り、橋本氏組長の式辞を代読し三十五名の修業者及び、九名の優等者夫■証書を授与し、生徒総代の答辞朗読ありて式を閉じ、■同陳列所内の水産品評会を縦覧したり品評会の授賞者は左の如く。
一等賞 鰹節 糸満町 玉城保太郎
同 鰑 玉城村 知念蒲八
同 同 仲里村 松茂良与佐
二等賞 鰹節 座間味 与那嶺松雄
同 同 那覇 照屋林顕
同 鰑 仲里村 安谷屋周広
同 鱶鰭 玉城村 仲平小十
同 同 玉城村 嶺井真蔵
三等賞 鰹節五名、鰑二名、海参一名、鱶鰭一名
四等賞 鰹節三名、鰑四名、鱶鰭二名
五等賞 鰹節二名、鰑六名、鱶鰭■名