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◎平良保一氏に非ず
掲載年月日:1910/10/14(金) 明治43年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事
原文表記
◎平良保一氏に非ず
昨日午前のことなり今しも捜索隊が屋良座附近を捜索中齡の頃三十六七にして前額廣く一体の恰好一見平良保一氏の面相なるに同附近見張中の警官は直ちに死体發見を報告すると同時
に面相が平良保一氏なる旨を告げたるに那覇署に於ては取りあへず平良氏の家族に急報し家族總出にて熟々檢め見るに全くの人違ひなること判明せり發見されたる男は口に美髯を畜へ居るものにて其の何處のものなるやは昨日中判明せざりき右の報に接するや沖繩毎日新聞社よりも記者出張したれど其の人違ひなることを確め空しく引返したる次第なりと云ふ
現代仮名遣い表記
◎平良保一氏に非ず
昨日午前のことなり。今しも捜索隊が屋良座附近を捜索中、齢の頃三十六七にして前額広く、一体の格好一見平良保一氏の面相なるに、同附近見張中の警官は直ちに死体発見を報告すると同時に面相が平良保一氏なる旨を告げたるに、那覇署に於ては取りあえず平良氏の家族に急報し家族総出にて熟々あらため見るに、全くの人違いなること判明せり。発見されたる男は口に美髯を蓄え居るものにて、其の何処のものなるやは昨日中判明せざりき。右の報に接するや沖縄毎日新聞社よりも記者出張したれど、其の人違いなることを確め、空しく引返したる次第なりと云う。