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◎木村回漕店の救護隊

掲載年月日:1910/10/13(木) 明治43年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事

原文表記

◎木村回漕店の救護隊
木村回漕店に於ては一昨夜非常滊笛の信號を聞くや早速店員其の他艀人夫を集め先づ救護隊を七隊に分ち一隊より四隊までは水上署より三重城海岸通りに他の三隊と真教寺附近海岸ぱくちや屋之波上に排置し之れが救護につとめ一方には艀人夫屈强■五六人を雇ひ入れて昨日未明に至りて沈沒船に救護せしめたるに一人の男の生存者■救ひ又其の男■話によれば子供二人船上に生存して居たりとのことを聞き更らに船を漕ぎ寄せて此の幸運兒二人も救助されてるが他は全く行衞不明にて引返したる有樣なり一昨日より昨日未明にかけて回漕店の方にては水上署と力を合わせて徹夜救護につとめたりとのことなるが其の甲斐もなくとうとう多數の行衞不明者を出すに至りたる次第なりと云ふ

現代仮名遣い表記

◎木村回漕店の救護隊
木村回漕店に於ては、一昨夜非常汽笛の信号を聞くや、早速店員其の他艀人夫を集め、先づ救護隊を七隊に分ち、一隊より四隊までは水上署より、三重城海岸通りに。他の三隊と真教寺附近海岸ぱくちゃ屋之波上に配置し、之れが救護につとめ。一方には艀人夫屈強■五、六人を雇い入れて、昨日未明に至りて沈没船に救護せしめたるに、一人の男の生存者■救ひ又、其の男■話によれば、子供二人船上に生存して居たりとのことを聞き、更らに船を漕ぎ寄せて、此の幸運児二人も救助されてるが、他は全く行方不明にて引返したる有様なり。一昨日より昨日未明にかけて回漕店の方にては水上署と力を合わせて徹夜救護につとめたりとのことなるが、其の甲斐もなくとうとう多数の行方不明者を出すに至る次第なりと云う。