キーワード検索
島巡り 天南漁夫
掲載年月日:1909/9/22(水) 明治42年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事
原文表記
島巡り 天南漁夫
八月十一日 昨日球陽丸來る本日西表與那國尖閣列島へ向け出發せんとす余は午前八時三十分乗舩す同舩者は中學校の山口糠塚の二教授内田八重山警察署長の諸氏あり九時過石垣港を抜錨し十二時過西表島舩浮港に着す同港は灣内餘り廣からざれども水深くして巨船を入るゝに足るべく港灣としては沖繩一等なり我船は元成屋炭坑三四十間近くに至り投錨す四時過ぎより嵩原事務長と釣具を携へ小舟に乗りて釣に出で夜に入りて雑魚三四尾を獲て歸船し更に本船にて三十尋の深所に綸を投じ二二のタマン一尾を釣る
現代仮名遣い表記
島巡り 天南漁夫
八月十一日 昨日球陽丸来る。本日西表、与那国、尖閣列島へ向け出発せんとす余は、午前八時三十分乗船、同船者は中学校の山口糠塚の二教授、内田八重山警察署長の諸氏あり、九時過、石垣港を抜錨し十二時過西表島船浮港に着す。同港は湾内余り広からざれども、水深くして巨船を入るるに足るべく、港湾としては沖縄一等なり。我船は元成屋炭坑三四十間近くに至り投錨す、四時過ぎより、嵩原事務長と釣具を携へ、小舟に乗りて釣に出で、夜に入りて雑魚三四尾を獲て帰船し、更に本船にて、三十尋の深所に綸を投じ二二のタマン一尾を