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島巡り

掲載年月日:1909/8/28(土) 明治42年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事

原文表記

島巡り
天南漁夫
七月二十一日 昨日は別に記すべき事なく畫は溪水に誘はれて眠を貧り夕刻よりは例に依り小舟を埀り出し例に依り空手にて歸りたるのみ
此日は河波判學の招待を受け午后三時の頃より溪水と共に其官含に至る主人は花卉の趣味探しと見へ庭一面種々の草花を植へられたり草も木も熱帶の四季咲き多く節は今土用なれども千紫万紅絢爤として錦の如し此庭を詠めつゝ主人の淡白なる歡待に夏を忘れ六時の頃辭して歸る

現代仮名遣い表記

島巡り
天南漁夫
七月二十一日 昨日は別に記すべき事なく画は、渓水に誘われて眠を貧り夕刻よりは例に依り、小舟を垂り出し例に依り、空手にて帰りたるのみ。
此日は河波判学の招待を受け午後三時の頃より、渓水と共に其官含に至る主人は、花卉の趣味探しと見え、庭一面種々の草花を植えられたり。草も木も熱帯の四季咲き、多く節は今土用なれども千紫万紅絢爛として、錦の如し此庭を詠めつつ、主人の淡白なる歓待に夏を忘れ六時の頃辞して帰る。