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古賀氏の名譽

掲載年月日:1908/1/9(木) 明治41年
メディア:琉球新報社 2面 種別:記事

原文表記

古賀氏の名譽
      琉球新報 明治四十一年一月九日

過般長崎水産共進會に於て古賀辰四郞氏の出品に係る眞珠其他の海産物いづれも授賞の選に入り特に皇太子殿下御買上の光榮を得たる旨は當時の紙上に記載したる如くなるが猶ほ氏は海産物に對する功績の尋常ならざる趣きを以て外に功勞銀杯を授與せられたり其賞狀の全文左の如し
銀 杯   沖縄縣那覇區 古賀辰四郞
夙に心を沖繩群島の殖産に致し鋭意海産物の捕獲及び輸出を經營し八重山島の漁業を開發し又無人の尖閣列島に探險を試み魚介の捕獲水禽の剝製等に力め専ら移住の先導を爲す其間刻苦經營多年洵に一日の如し其功績賞揚すべし仍て茲に之を賞す
斯くて長崎商業會議所にては出品物の種類に依り優良なるものに對し紀念として額縁を寄贈したるが古賀氏も亦其選に與かりたり今其の寄贈目録の全文を左に掲ぐ
 一、額 縁    壱 個
今回第二回關西九州府縣聯合水産共進會へ貴下御出品の鱶鰭は現今我水産輸出貿易品中最も顕著なる發達進歩を爲し爲めに國家の利益する所甚だ大なりとす之れ全く貴下及び當業者諸氏の斯業に忠實奮励せらるゝの結果たらずんばあらず因て當會議所は尚ほ將來之が奨励の一端として一等受賞者なる貴下に對し茲に前記目録の物品を贈呈す
  長崎商業會議所  會頭 永見 寛二
  明治四十年十二月一日
古賀辰四郞殿

現代仮名遣い表記

古賀氏の名誉  
      琉球新報 明治四十一年一月九日

過般長崎水産共進会に於て古賀辰四郞氏の出品に係る真珠其他の海産物いづれも授賞の選に入り、特に皇太子殿下御買上の光栄を得たる旨は当時の紙上に記載したる如くなるが、猶お氏は海産物に対する功績の尋常ならざる趣きを以て外に功労銀杯を授誉せられたり。其賞状の全文左の如し。
   銀 杯
       沖縄県那覇区  古賀辰四郞
 夙に心を沖縄群島の殖産に対し鋭意海産物の捕獲及び輸出を経営し八
重山島の漁業を開発し又無人の尖閣列島に探険を試み魚介の捕獲水禽
の剝製等に力め専ら移住の先導を為す。其間刻苦経営多年洵に一日の
如し其功績賞揚すべし。仍て茲に之を賞す。
斯くて長崎商業会議所にては出品物の種類に依り優良なるものに対し紀念として額縁を寄贈したるが古賀氏も亦其選に与かりたり。今其の寄贈目録の全文を左に掲ぐ。
 一、額 縁       一 個
 今回第二回関西九州府県連合水産共進会へ貴下御出品の鱶鰭は現今我
水産輸出貿易品中最も顕著なる発達進歩を為し為めに国家の利益する
所甚だ大なりとす。之れ全く貴下及び当業者諸氏の斯業に忠実奮励せ
らるゝの結果たらずんばあらず。因て当会議所は尚お将来之が奨励の
一端として一等受賞者なる貴下に対し茲に前記目録の物品を贈呈す。
長崎商業会議所  会頭 永見 寛二
  明治四十年十二月一日
         古賀辰四郞殿