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●海外交易調査會(續)

掲載年月日:1899/12/15(金) 明治32年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事

原文表記

●海外交易調査會(續)
比嘉次郎 私は近頃福州よりハりたるものなれとも突然此席に於て精密に御話し致すこと出來されは大体に就き少々御話致すことに致さん本縣より同國に向て輸出する所の商品ハ先つ海產物を以て第一とするも是も昔日とは異なり近頃に至ては其輸出高も大に减退することヽなりたり漆器の如きは彼の地のものに比し本縣產は高價なる故買手も少なけれハ全く販買の見込なく其他種油茶材料傘の如き商品あれとも是亦格別の利益もあらさる有樣にて貿易の望みなき樣思考す云々去る十三日縣聽へ集會せられし諸君に基き委員は左の如く指名し十八日午后一時より縣廳へ集會せられんことを通知せり
尙   順君  永江德志君 嘉數詠題
肥後孫左工門君 護得久朝惟君 中馬辰二郞君
高嶺朝敎君 伊是名朝睦君 譜久里宗業君
大坪岩次郞君 古賀辰四郞君 大峰柳吉君
名護紹孔君 比嘉次郞君 渡久山朝恭君
小嶺幸之君 平尾喜八君 鮫島常太郞君
藤井君は上阪せらるヽに付其後任として平尾喜八君に委員を嘱托することせり之れに依りて調査會は設立せり
十八日第一回協議會を開き會上會日及調査の方法等を左の如く决議せり
一 會塲 會塲は縣廳とせり
一 會日 月木の両曜とせり
一 開會閉會の時間 午後七時より十時迄とせり
一 研究案 研究案ハ各自より提出せらるれハ縣廳に於て之を一括して印刷とし各委員に分かつこととせり
一 調査事項は左の如く决定せり
調査事項
輸入の部
一 穀類の部 一 米 二 大豆
二 茶の部
三 織物の部 附輸出も共に 一桐板 二蚊帳 三織物類
四雜貨 一香類 二傘 三朱 四蛇皮 五紅麹 六虫糸 七紙類 八藥類
輸出の部
一 水產の部 一鱶鰭 二鰑 三海參 四鹽辛 五其他
二 漆器の部
三 酒の部 一燒酎 二其他
四 椎茸の部 附木の耳
各貨物に對する調査事項
輸入の部
一 貨物の種類 二產物並產額 三集散地 附取引の狀况厘金稅及海關稅等其他の事項 四運搬の方法 附荷造の方法 五輸入額及其時期 六輸入后の需要の狀况 七直輸入の方法及其利益の程度

現代仮名遣い表記

●海外交易調査会(続)
比嘉次郎 私は近頃福州よりはりたるものなれとも、突然此席に於て精密に御話し致すこと出来されは、大体に就き少々御話致すことに致さん。本県より同国に向て輸出する所の商品は、先つ海産物を以て第一とするも。是も昔日とは異なり、近頃に至ては、其輸出高も大に減退することとなりたり漆器の如きは、彼の地のものに比し、本県産は高価なる故買手も少なけれは、全く販買の見込なく。其他種油茶材料傘の如き商品あれとも、是亦格別の利益もあらさる有機にて、貿易の望みなき様思考す。云々去る十三日県庁へ集会せられし諸君に基き委員は、左の如く指名し十八日午後一時より県庁へ集会せられんことを通知せり。
尚   順君  永江徳志君 嘉数詠題
肥後孫左工門君 護得久朝惟君 中馬辰二郎君
高嶺朝教君 伊是名朝睦君 譜久里宗業君
大坪岩次郎君 古賀辰四郎君 大峰柳吉君
名護紹孔君 比嘉次郎君 渡久山朝恭君
小嶺幸之君 平尾喜八君 鮫島常太郎君
藤井君は上阪せらるるに付、其後任として平尾喜八君に委員を嘱託することせり。之れに依りて調査会は設立せり。
十八日、第一回協議会を開き、会上会日及調査の方法等を左の如く決議せり。
一 会場 会場は県庁とせり
一 会日 月木の両曜とせり
一 開会閉会の時間 午後七時より十時迄とせり
一 研究案 研究案は各自より提出せらるれは県庁に於て之を一括して、印刷とし各委員に分かつことせり
一 調査事項は左の如く決定せり
調査事項
輸入の部
一 穀類の部 一 米 二 大豆
二 茶の部
三 織物の部 附輸出も共に 一桐板 二蚊帳 三織物類
四雑貨 一香類 二傘 三朱 四蛇皮 五紅麹 六虫糸 七紙類 八薬類
輸出の部
一 水産の部 一鱶鰭 二鰑 三海参 四塩辛 五其他
二 漆器の部
三 酒の部 一焼酎 二其他
四 椎茸の部 附木の耳
各貨物に対する調査事項
輸入の部
一 貨物の種類 二産物並産額 三集散地 附取引の状況厘金税及海関税等、其他の事項 四運搬の方法 附荷造の方法 五輸入額及其時期 六輸入後の需要の状況 七直輸入の方法及其利益の程度