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●野田山隈諸氏の一行

掲載年月日:1893/10/24(火) 明治26年
メディア:九州日日新聞 3面 種別:記事

原文表記

●野田山隈諸氏の一行
南洋遠征隊野田山隈等諸氏が那覇港出發の報は過日の紙上に掲げしが近着の琉球新報に據れば氏等の一行は其後無事先島に着し第一二舜天丸の到るを待つ中にも雄心勃々たる逸り男の面々何とて客棧の二階に閉籠り居らるべき野田中林の兩氏は瘴霧を犯して陸上を探撿し圖らずも數百町の良深林を發見し又た一方には山隈北島等の諸氏は數名の漁夫と共に河岸を漁りあるくうち思ひ掛けなく鱶の長さ五間内外のもの二十尾、鮫の長さ三間内外のもの數尾を得たれば一行皆な踊躍して喜ひ合ひしが其の中舜天丸も到着し去る卅日無人島なる魚釣島へ向け出發したり云々と見へたり

現代仮名遣い表記

●野田山隈諸氏の一行
南洋遠征隊野田山隈等諸氏が那覇港出発の報は過日の紙上に掲げしが近着の琉球新報に拠れば氏等の一行は其後無事先島に着し、第一二舜天丸の到るを待つ中にも雄心勃々たる逸り男の面々何とて客桟の二階に閉籠り居らるべき野田中林の両氏は、瘴霧を犯して陸上を探撿し図らずも数百町の良深林を発見し又た一方には山隈北島等の諸氏は数名の漁夫と共に河岸を漁りあるくうち思ひ掛けなく鱶の長さ五間内外のもの二十尾、鮫の長さ三間内外のもの数尾を得たれば、一行皆な踊躍して喜ひ合ひしが其の中舜天丸も到着し去る三十日無人島なる魚釣島へ向け出発したり云々と見へたり。