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せん閣群島 領土權の主張から保全へ / 注目される警備体制

掲載年月日:1970/9/18(金) 昭和45年
メディア:南西新報 1面 種別:記事

原文表記

せん閣群島 領土權の主張から保全へ 注目される警備体制
 油田採掘問題、新たな段階へ
南西新報 昭和四十五年九月十八日

台湾の船舶が報道陣を伴いせん閣列島の魚釣島に国民政府の晴天白日旗を掲揚―さらに岩盤に「将総統万才」を大書して大々的に報道したことから琉球政府警察本部の救難艇が同島に急行米民政府の同意の下に国府の国旗を撤去したが、同島付近に不法にも侵犯してくる台湾漁夫の取り締りなど今後のせん閣油田問題とからんで領土保全の警備防衛問題などで新たな段階を迎えようとしている。
石垣市の行政区域の一部であるせん閣群島問題は同群島付近の大陸ダナの海底油田の採掘権問題を中心としてクローズアップされてきたが―その後台湾国民政府立法院の領土権の主張さらに最近の台湾船舶の国府旗の掲揚問題で領土権問題が台頭し、琉球政府警察本部の救難艇「ちとせ」が現地に急行、国府の国旗「晴天白日旗」を撤去したが、同島付近に不法上陸して操業している台湾漁船の目に余る行動から今後の領土権の主張から領土保全の警備問題に移行するものとして新たな段階を迎えようとしている。
外務省筋では来月上旬頃開かれる国府側との話し合いでは領土権の問題は問題ないとして専ら大陸ダナの海底油田採掘権問題にしぼる方針として資料の収集や、理論固めを急いでいるといわれる。
また今回の国府の国旗掲揚これまでの台湾漁船の不法上陸や操業などから同島付近の警備問題は七二年復帰を前にして与那国近海の領海侵犯不法上陸問題など合わせて領土保全から警備体制の強化問題も台頭―
更にせん閣油田問題は沖繩返還ともからみ微妙にゆれ動くものと見られ注目されている。

現代仮名遣い表記

せん閣群島 領土権の主張から保全へ 注目される警備体制
 油田採掘問題、新たな段階へ
南西新報 昭和四十五年九月十八日

台湾の船舶が報道陣を伴いせん閣列島の魚釣島に国民政府の晴天白日旗を掲揚―さらに岩盤に「将総統万才」を大書して大々的に報道したことから琉球政府警察本部の救難艇が同島に急行、米民政府の同意の下に国府の国旗を撤去したが、同島付近に不法にも侵犯してくる台湾漁夫の取り締りなど、今後のせん閣油田問題とからんで領土保全の警備防衛問題などで新たな段階を迎えようとしている。
石垣市の行政区域の一部であるせん閣群島問題は同群島付近の大陸ダナの海底油田の採掘権問題を中心としてクローズアップされてきたが―その後台湾国民政府立法院の領土権の主張、さらに最近の台湾船舶の国府旗の掲揚問題で領土権問題が台頭し、琉球政府警察本部の救難艇「ちとせ」が現地に急行、国府の国旗「晴天白日旗」を撤去したが、同島付近に不法上陸して操業している台湾漁船の目に余る行動から、今後の領土権の主張から領土保全の警備問題に移行するものとして新たな段階を迎えようとしている。
外務省筋では来月上旬頃開かれる国府側との話し合いでは、領土権の問題は問題ないとして専ら大陸ダナの海底油田採掘権問題にしぼる方針として、資料の収集や理論固めを急いでいるといわれる。
また今回の国府の国旗掲揚、これまでの台湾漁船の不法上陸や操業などから同島付近の警備問題は七二年復帰を前にして与那国近海の領海侵犯、不法上陸問題など合わせて領土保全から警備体制の強化問題も台頭―
更にせん閣油田問題は沖縄返還ともからみ微妙にゆれ動くものと見られ注目されている。