昭和40年代

現代仮名遣い表記

せん閣群島　資料収集に乗り出す　
　地方庁石垣市　地元の利益が優先　石油利権からみ慎重期す
南西新報　昭和四十五年八月四日

有望な石油資源が埋蔵されているということで脚光を浴びているせん閣群島の鉱区権、領有権問題は現在、国際的に注目されているが、せん閣群島は石垣市の行政範囲にあることから市でも地方庁と協力この問題に関し、資料の収集にのりだしている。
石垣市では昨年、せん閣群島に番地の表示など同群島が石垣市の行政区域内に属することを明記した看板を立て、また出入管理庁でもつい最近、台湾漁船などの不法入域を防ぐなど、政治的、法律的観点から行政府柱を設置した。
同群島は有望な石油資源が埋蔵されているということから石油利権をめぐり国際的に注目されるようになった。ところが台湾、国府などは大陸だなの領有権を主張、日本政府の立場と対立している。
特に台湾は、このほど米国ガルフ・オイルの日本法人であるパシフィック・ガルフ社に対して同群島の周辺海域を含む大陸だなについて石油鉱区権を与えたということで新らたな国際上の問題を投げかけている。
こうしたことから石垣市をはじめ地方庁でもこうした動きについて地元の利益が優先するという立場から資料を収集し検討をはじめているが、この問題は石油利権をめぐる国際的な問題がからんでいるだけに慎重に検討することにしている。