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記者席 せん閣列島行き観光団を
原文表記
記者席 せん閣列島行き観光団を
南西新報 昭和四十四年四月二十六日
○…きのう地方庁で名蔵の川満さん「社有地を耕作しているが日本復帰したら会社に引き揚げられるのではないか」と心配して話していたが「引揚げられることはないにしても借地料をうんと引揚げられるのではないか―それで今から対策を考えておかなければならないが」と相談を持ちかけて来た「大東島の場合は島民ががん張つて財産管理課の管理下におかれているので復帰の際は政府との話し合いで政治的に解決することが出来るが、八重山の場合は住民が署名なつ印して会社への返還運動を起して返還したもので今更どうすることも出来ない。そうと分かれば会社に返還せず財産管理課においておけば…」と残念そうに話していたが、自分の土地でないだけに社有地耕作者の大きな悩みのたねとなつている。
石糖の操業が遅れて枯死茎はでる、ブリツクスは落ちるのでこの分でいけば生産者の増産意欲は落ちばかりだという。
石糖の職員が農家を廻つて「キビはもうかるから作れと云つているがそんなにもうかるものなら自分で作ればよい。自分の畑は人に小作させて勤めている人が多いこの頃だ」ということから宮良地方庁長も「この問題は何とかしなければならないキビの場合一島一工場であるので外の工場に持つていくことが出来ないという立場にあるので、宮古・沖繩本島地区同様な考え方であつてはならない。
会社が赤字と云つても会社が払うのではなく生産者が間接に払うということになつているし、銀行管理の利息だけでも年間三十万$を超えるという話しだがもつと根本問題にふれて検討して見る必要がある」と強調していた。
○…沖繩旅行社が企画している与那国観光は相当好評を博しているということから沖繩ツーリストで「今一番宣伝されているのは、せん閣列島の石油問題であるのでせん閣列島観光団をこの夏頃計画したら確かに当るのではないか
学生対手にキヤンプを張る観光団や石油資源目当ての街の素人学者の調査団、それにクバ島の慰霊参拝団など多種多様な旅行団が編成出来る」と定歳支店長相手に観光団募集の話しに花を咲かせていた。
○…星野部落の公民館補助の弁務官資金の申請を政府が据否却下していることから小さな部落では相当なシヨツクを受けている折柄仲本与那国町長は租納のテンダ鼻に行く坂道のコンクリート舗装の費用について弁務官資金を交付して貰いたいと去る二十三日英訳して八重山民政官府に直接陳情したが「見込みあるか」と問いに「大抵大丈夫だ」と自信ありげけ話し、与那国は今後観光面にうんと力をいれなければならないと観光立国を強調
○…せん閣列島の油田調査の下調査を日本石油公団から依頼を受け、来る六月に東海大学の調査団が大挙乗り込むことになつているがその前に石垣市でも所有権を明示するため五ツの島に標柱を建立するためよう船して職員を派遣する計画が内々に進められているがこれをかぎつけた中央紙の沖繩タイムス、琉球新報の記者連喜興市長に便乗方を交渉しているが船が小さいという理由から「コンクリート人夫仕事もやるなら…」との難題をふつかけられ記者連渋い題をしているがーしかし今度の石垣市のせん閣列島の標柱建設はこれまでに行つたことのない島々まで廻りクバ島の遭難者の慰霊碑も建立するということになつているので当時の遭難者の遺体など二十余年も経過してどうなつているか興味深い!
現代仮名遣い表記
記者席 せん閣列島行き観光団を
南西新報 昭和四十四年四月二十六日
○…きのう地方庁で名蔵の川満さん「社有地を耕作しているが、日本復帰したら会社に引き揚げられるのではないか」と心配して話していたが「引揚げられることはないにしても借地料をうんと引揚げられるのではないか―それで今から対策を考えておかなければならないが」と相談を持ちかけて来た。「大東島の場合は島民ががん張って財産管理課の管理下におかれているので、復帰の際は政府との話し合いで政治的に解決することが出来るが、八重山の場合は住民が署名なつ印して会社への返還運動を起して返還したもので今更どうすることも出来ない。そうと分かれば会社に返還せず財産管理課においておけば…」と残念そうに話していたが、自分の土地でないだけに社有地耕作者の大きな悩みのたねとなっている。
石糖の操業が遅れて枯死茎はでる、ブリックスは落ちるのでこの分でいけば生産者の増産意欲は落ちばかりだという。
石糖の職員が農家を廻って「キビはもうかるから作れと言っているが、そんなにもうかるものなら自分で作ればよい。自分の畑は人に小作させて勤めている人が多いこの頃だ」ということから、宮良地方庁長も「この問題は何とかしなければならない。キビの場合一島一工場であるので外の工場に持っていくことが出来ないという立場にあるので、宮古・沖縄本島地区同様な考え方であってはならない。
会社が赤字と言っても会社が払うのではなく生産者が間接に払うということになっているし、銀行管理の利息だけでも年間三十万$を超えるという話しだがもっと根本問題にふれて検討して見る必要がある」と強調していた。
○…沖縄旅行社が企画している与那国観光は相当好評を博しているということから沖縄ツーリストで「今一番宣伝されているのは、せん閣列島の石油問題であるので、せん閣列島観光団をこの夏頃計画したら確かに当るのではないか。
学生対手にキャンプを張る観光団や石油資源目当ての街の素人学者の調査団、それにクバ島の慰霊参拝団など多種多様な旅行団が編成出来る」と定歳支店長相手に観光団募集の話しに花を咲かせていた。
○…星野部落の公民館補助の弁務官資金の申請を政府が拒否却下していることから、小さな部落では相当なショックを受けている折柄、仲本与那国町長は租納のテンダ鼻に行く坂道のコンクリート舗装の費用について弁務官資金を交付して貰いたいと去る二十三日英訳して八重山民政官府に直接陳情したが「見込みあるか」と問いに「大抵大丈夫だ」と自信ありげに話し、与那国は今後観光面にうんと力をいれなければならないと観光立国を強調。
○…せん閣列島の油田調査の下調査を日本石油公団から依頼を受け、来る六月に東海大学の調査団が大挙乗り込むことになっているが、その前に石垣市でも所有権を明示するため五ツの島に標柱を建立するため、よう船して職員を派遣する計画が内々に進められているが、これをかぎつけた中央紙の沖繩タイムス、琉球新報の記者連喜興市長に便乗方を交渉しているが船が小さいという理由から「コンクリート人夫仕事もやるなら…」との難題をふっかけられ記者連渋い顔をしているが―しかし今度の石垣市のせん閣列島の標柱建設はこれまでに行ったことのない島々まで廻り、クバ島の遭難者の慰霊碑も建立するということになっているので、当時の遭難者の遺体など二十余年も経過してどうなっているか興味深い!