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◎楢原球戯塲に於けブル見立書き

掲載年月日:1912/7/6(土) 明治45年
メディア:琉球新報社 3面 種別:記事

原文表記

◎楢原球戯場に於けブル見立書き
之は去る處の去るチビ公が去る日去る處での見立書きに候但し此見立は恐く多くの相違あらん或は全く氷炭の相違なること尠からざらんされども余も仝紳士連との往來稀にして其性格を一々知得せざれば之に筆を添ゆるの資格を有せず先つ其儘御報告申上候而して前田薩摩君突振至つて巧者にて一方の御名將なる由に候が御年の割に頭の薄きこと誠に御氣の毒就て貴殿へは今回獨逸國より直輸入の毛生丁幾チビ公手元に有之候もの壹瓶差上度御使用願上候こは從來の夫と異り微温湯に溶解し一日三回局部に塗布なされ度若し奏効確實と御決定相成り候折は種子田君と佐々本君有るや無しやの口髯に御勤めなされ度御含み願上但し楢原主人のは大きなテラテラに候■どこは元來甞られたものにて到底改復の望み無之當人も此■あきらめたげに候間其儘になさるべく候扨■本文の見立かきは左の通りに候間決してして御立腹之あるましく候
  青レンズ投
一老練家ブル   大 井 君
一篤實家ブル   林   君
一武 者 ブ ル   益 田 君
一色 男 ブ ル   藤田 正君
一念 者 ブ ル   淺 田 君
一太 夫 ブ ル   木 村 君
一秀 才 ブ ル   倉 增 君
一道德家ブル   元 村 君
一利屈家ブル   古 賀 君
一君 子 ブ ル   藥 師 君
一ダゞツ子ブル  村 瀨 君
一大 家 ブ ル  村 松 君
一若旦那 ブル   國 本 君
一ハイカラブル  大 澤 君
一機轉家 ブル  喜多 村君
一承知シタブル  山 内 君
一醫 者 ブ ル  種子 田君
一近 眼 ブ ル  佐々 本君
一生 噛 ブ ル  蟹 江 君
一温厚家 ブ ル  仲 地 君
一大人 ブ ル  宮 崎 君
一紳士  ブ ル  石 井 君
一猫  被   ル  川 崎 君
一頓智家 ブ ル  杉 原 君
一記 者 ブ ル  黒 上 君
一坊チャンブル  桑 原 君
一巧 者 ブ ル  前 田 君
一■ 家 ブ ル  勝 田 君
一腕力家ブ ル  藤田 淸君
一力士  ブ ル  主 人 君
一忠義 ブ ル  牛   君

現代仮名遣い表記

◎楢原球戯場に於けブル見立書き
之は去る処の、去るチビ公が、去る日、去る処での見立書きであります。ただしこの見立は恐く多くの相違あらん、或は全く氷炭の相違なることすくなからざらん。されども余も同紳士連との往来稀にしてその性格を一々知得せざれば、之に筆を添ゆるの資格を有せず、先づそのまま御報告申上げます。そして前田薩摩君、突振至って巧者にて一方の御名将なるのですが、御年の割に頭の薄きこと誠に御気の毒、つきまして貴殿へは今回独逸国より直輸入の毛生丁幾チビ公手元に有るもの一瓶差上度、御使用願上ます。こは従来の夫と異り微温湯に溶解し、一日三回局部に塗布なされたし。若し奏効確実と御決定相成りの折は、種子田君と佐々本君有るや無しやの口髯に御勤めなされ度、御含み願上ます。但し、楢原主人のは大きなテラテラに候■どこは元来甞られたものにて、到底改復の望み無之当人も此■あきらめたげですので、そのままになさるべく存じます。さて、■本文の見立かきは左の通りですので、決してして御立腹之あるまじく。
  青レンズ投
一老練家ブル   大 井 君
一篤實家ブル   林   君
一武 者 ブ ル   益 田 君
一色 男 ブ ル   藤田 正君
一念 者 ブ ル   浅 田 君
一太 夫 ブ ル   木 村 君
一秀 才 ブ ル   倉 増 君
一道徳家ブル   元 村 君
一利屈家ブル   古 賀 君
一君 子 ブ ル   薬 師 君
一ダゞツ子ブル  村 瀬 君
一大 家 ブ ル  村 松 君
一若旦那 ブル   国 本 君
一ハイカラブル  大 澤 君
一機転家 ブル  喜多 村君
一承知シタブル  山 内 君
一医 者 ブ ル  種子 田君
一近 眼 ブ ル  佐々 本君
一生 噛 ブ ル  蟹 江 君
一温厚家 ブ ル  仲 地 君
一大人 ブ ル  宮 崎 君
一紳士  ブ ル  石 井 君
一猫  被   ル  川 崎 君
一頓智家 ブ ル  杉 原 君
一記 者 ブ ル  黒 上 君
一坊チャンブル  桑 原 君
一巧 者 ブ ル  前 田 君
一■ 家 ブ ル  勝 田 君
一腕力家ブ ル  藤田 清君
一力士  ブ ル  主 人 君
一忠義 ブ ル  牛   君