キーワード検索

◎遭難遺族の感謝(十)

掲載年月日:1911/1/28(土) 明治44年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事

原文表記

◎遭難遺族の感謝(十)
(前畧)扨て曩きに三浦丸遭難の際浪人死亡に就ては萬事萬端■配勞ヶ煩はし御厚情の程感鳴仕り居る處重ねて多額の金錢御惠興被成下誠以て有難拜受仕り早速靈位へ呈し申亡夫に於ても蔭ながら御厚恩に酬ひ奉るべく存候處家事に取粉干今相延び候段何共申上樣御座なく候得共不惡恩召被成下度右御禮旁々貴社の御繁榮を祈り上候早々
一月廿五日
大宜味村字渡野喜屋亡保一妻
平良かな
(前畧)扨而三浦丸遭難の際女なべ死亡の爲め一夫ならざる御配勞を煩はし上げ誠に以て有難く感謝奉■居候處重ねて多額の義捐金御募集御惠興被成下早速拜受亡靈に呈し申候亡き女子も地下に於て御恩を厚く感謝するならんと存候早速御■可申上筈に候處取紛れ延々仕り候段不惡御海容被下度右一應御禮申上候早々
一月廿五日
大宜味村渡野喜屋
平良保喜
(前畧)
扨て亡父萬介三浦丸遭難の際は一方ならぬ御配慮と深厚なる御同情とを豪り感謝の至りに候處今般義捐金を募られ御惠興被下候段誠に感激に堪へず候乍恐四方義損諸賢に對し御禮申■被下度右御願旁々謝禮申上候匇々敬具
一月廿五日
右遺族男 安里萬藏
       安里萬八

現代仮名遣い表記

◎遭難遺族の感謝(十)
(前略)扨て曩きに三浦丸遭難の際浪人死亡に就ては万事万端■配労ヶ煩はし、御厚情の程感鳴仕り居る処重ねて多額の金銭御恵興被成下誠以て有難拝受仕り。早速霊位へ呈し申亡夫に於ても、蔭ながら御厚恩に酬い奉るべく存ります処、家事に取粉干今相延びます。段何共申上様御座なくではありますが、不悪恩召被成下度右御礼旁々貴社の御繁栄を祈り上げます。早々
一月二十五日
大宜味村字渡野喜屋亡保一妻
平良かな
(前略)扨而三浦丸遭難の際女なべ死亡の為め一夫ならざる御配労を煩はし上げ、誠に以て有難く感謝奉■居たします。処重ねて多額の義捐金御募集御恵興被成下早速拝受亡霊に呈しもうします。亡き女子も地下に於て御恩を厚く感謝するならんと存ります。早速御■可申上筈に候処取紛れ延々仕ります。段不悪御海容被下度右一応御礼申上げます。早々
一月二十五日
大宜味村渡野喜屋
平良保喜
(前略)
扨て亡父万介三浦丸遭難の際は、一方ならぬ御配慮と深厚なる御同情とを豪り感謝の至りにます。処今般義捐金を募られ御恵興被下候段誠に感激に堪へずです。乍恐四方義損諸賢に対し御礼申■被下度右御願旁々謝礼申上げます匇々敬具
一月二十五日
右遺族男 安里万蔵
       安里万八