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◎遭難者遺族の感謝狀
原文表記
◎遭難者遺族の感謝狀
縣下特志家諸彥の深厚なる同情により集りたる三浦丸遭難者慰藉金壹千壹百餘圓は連日の本紙に報告せる如く去二十七日郡區役所の手を經て當該遺族へ分配したるに早速禮狀を携へ本人出社して厚意を謝■併せし特志家諸君へ感謝の意を傳へられたしとの懇請を爲したり因て左に其自筆の禮狀を掲げて以て義損せられし諸君へ報告す(原文のまゝ)但し金額等に削る
謹啓先般三浦丸難破相遇の際故柵原安惇溺死したるに依り金圓御下賜下され實に深謝奉候
十二月廿八日 妻 棚原カミ
拜呈益々■繁榮奉賀候陳ば三浦丸遭難者義捐金貴社の■盡力に依り本日區役所より頂載仕り正に領収致候間可然樣御承知被下度先は不取敢右御髙禮申上候早々拜首
十二月廿七日
亡藤■正之助妻 藤崎 セイ
拝啓益々御淸福擧■賀候偖て亡夫比嘉賢■遭難死亡の際は種々■髙配を蒙り且つ義捐金を募集下され私共に至る迄■分の御惠興を辱ふし候段只々感謝に不堪候ついては早速參上仕り御禮申上く可■筈の處年末多忙の爲め參上致兼略儀ながら本紙を以て御禮申上候段惡しからず御諒■下され候はゝ幸甚の至に候
十二月廿八日
妻カマト■松外親戚■同
拝啓時下極寒候貴社愈々緒繁榮■段奉大賀候偖て遇般■三浦丸沈沒の時拙者夫に當る上地直人も其に海底に沈み最後とげ候貴社は吾々遺族に御同情寄せられてこゝに一般有志者に■計ひ儀損金■募り■成昨日吾々遺族は御惠興成被下難有拜受仕候就ては左■領収書相添へ御禮申上候尙ほ宵々一般有志者樣方へも宜■御傳■被下此段御願申上候
妻 上地カナ
現代仮名遣い表記
◎遭難者遺族の感謝状
県下特志家諸彦の深厚なる同情により、集りたる三浦丸遭難者慰藉金一千一百余円は、連日の本紙に報告せる如く。去二十七日郡区役所の手を経て当該遺族へ分配したるに、早速礼状を携へ本人出社して、厚意を謝■併せし特志家諸君へ感謝の意を伝えられたしとの懇請を為したり因て、左に其自筆の礼状を掲げて以て義損せられし諸君へ報告す。(原文のまま)但し金額等に削る
謹啓先般三浦丸難破相遇の際、故柵原安惇溺死したるに依り、金円御下賜下され実に深謝奉つります。
十二月二十八日 妻 棚原カミ
拝呈益々■繁栄奉賀です。陳ば三浦丸遭難者義捐金貴社の■尽力に依り、本日区役所より頂載仕り正に領収いたします。間可然様御承知被下度先は不取敢右御高礼申上げます。早々拝首
十二月二十七日
亡藤■正之助妻 藤崎 セイ
拝啓益々御清福挙■賀です。偖て亡夫比嘉賢■遭難死亡の際は種々■高配を蒙り且つ義捐金を募集下され、私共に至る迄■分の御恵興を辱ふします。段只々感謝に不堪ます。ついては早速参上仕り御礼申上く、可■筈の処年末多忙の為め参上致兼略儀ながら本紙を以て、御礼申上ます。段悪しからず御諒■下されますはは幸甚の至にます。
十二月二十八日
妻カマト■松外親戚■同
拝啓時下極寒です。貴社愈々緒繁栄■段奉大賀です。偖て遇般■三浦丸沈没の時拙者夫に当る上地直人も、其に海底に沈み最後とげ候貴社は、吾々遺族に御同情寄せられてここに一般有志者に■計い、儀損金■募り■成昨日吾々遺族は御恵興成被下難有拝受けいたします。就ては左■領収書相添へ御礼申上げます。尚お宵々一般有志者様方へも宜■御伝■被下此段御願申上げます。
妻 上地カナ