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◎三浦丸の親切
掲載年月日:1910/9/27(火) 明治43年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事
原文表記
◎三浦丸の親切
從來名護航海の汽船は何れも船客待遇上甚だ冷澹にて船客の不平小言を耳にしたること幾度なるかを知らず一度名護渡航を經しものゝ胸中該船員等の冷澹粗暴を憤らざるものなかりき、然るに三浦丸は此程大に鑑みる所ありて從來の宿弊を一洗し顧客の意を迎ふるに全力を注ぎつゝありて船客の取扱を新説到らざるなく、並等客も上等中等室の明き間次第之れに移招し船員室までも之れを開放して船客の便宜を計り湯水茶菓等に至るまで之れを給して些たりとも船客に不便の感を與へず船長以下船員擧つて船客を遇するに懇切を極め居れば一度三浦丸を待つて之れに乗るもの多しと傳ふ、吾人は三浦丸に■從前冷澹なる船客取扱法を改め今一增親切なる船客待遇の方法に出んことを慫通するは獨り船客の利便のみならず會計其營業上の收益を增大■らしむるを以てなり
現代仮名遣い表記
◎三浦丸の親切
従来名護航海の汽船は何れも船客待遇上甚だ冷澹にて船客の不平小言を耳にしたること幾度なるかを知らず一度名護渡航を経しものゝ胸中該船員等の冷澹粗暴を憤らざるものなかりき、然るに三浦丸は此程大に鑑みる所ありて従来の宿弊を一洗し顧客の意を迎ふるに全力を注ぎつゝありて船客の取扱を新説到らざるなく、並等客も上等中等室の明き間次第之れに移招し船員室までも之れを開放して船客の便宜を計り湯水茶菓等に至るまで之れを給して些たりとも船客に不便の感を与へず船長以下船員挙つて船客を遇するに懇切を極め居れば一度三浦丸を待つて之れに乗るもの多しと伝ふ、吾人は三浦丸に■従前冷澹なる船客取扱法を改め今一増親切なる船客待遇の方法に出んことを慫通するは独り船客の利便のみならず会計其営業上の収益を増大■らしむるを以てなり