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◎古賀店の肥料

掲載年月日:1910/3/17(木) 明治43年
メディア:琉球新報社 1面 種別:記事

原文表記

◎古賀店の肥料
那覇區内古賀商店に於ては目下肥料販賣の設計中にて近々の便船より着荷するとのことなるが該肥料は世間有り觸れの肥料と異なり肥料學の大家恒藤博士の調合になれる人工肥料にして現今恒藤博士の監督の下にある人工肥料製造の元祖たる大阪府堺市住吉橋過硫酸肥料株式會社に於て販賣し居る品にして殊に前年恒藤博士來縣の際親しく本縣下の地質を踏調せられ本縣土壌に適應する調合分量の肥料を選定せられたるものなりと而して古賀氏は特に恒藤博士の依嘱によて該肥料の販賣を開始せらるゝとのことなれば自然良好なる肥料なると共に本縣農學肥料界に資する多大ならんと言ふ
因に本縣土壌に適應するものとして恒藤博士の肥料は同會社販賣中のい號完全肥料(窒素全量五、〇〇アムモニア三、〇〇性燐酸全量七、〇〇水溶性四、五〇拘溶性〇、五〇)十貫目入價格三圓ものと、ろ號完全肥料(窒素全量五、〇〇アムモニア性三、〇〇硝酸性一、〇〇燐酸全量六〇〇水溶性四、五〇拘溶性〇、五〇加里二、五〇)十貫入價格三圓二十銭の二種なりと

現代仮名遣い表記

◎古賀店の肥料
 那覇区内古賀商店に於ては、目下肥料販売の設計中にて、近々の便船より着荷するとのことなるが、該肥料は世間有り触れの肥料と異なり、肥料学の大家恒藤博士の調合になれる人工肥料にして、現今恒藤博士の監督の下にある、人工肥料製造の元祖たる大阪府堺市住吉橋過硫酸肥料株式会社に於て販売し、居る品にして殊に前年恒藤博士来県の際、親しく本県下の地質を踏調せられ、本県土壌に適応する、調合分量の肥料を選定せられたるものなりと而して、古賀氏は特に恒藤博士の依嘱によって、該肥料の販売を開始せらるるとのことなれば、自然良好なる肥料なると共に、本県農学肥料界に資する、多大ならんと言う。
因に、本県土壌に適応するものとして、恒藤博士の肥料は、同会社販売中の、い号完全肥料(窒素全量五、〇〇アムモニア三、〇〇性燐酸全量七、〇〇水溶性四、五〇拘溶性〇、五〇)十貫目入価格三円ものと、ろ号完全肥料(窒素全量五、〇〇アムモニア性三、〇〇硝酸性一、〇〇燐酸全量六〇〇水溶性四、五〇拘溶性〇、五〇加里二、五〇)十貫入価格三円二十銭の二種なりと