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●海外交易調査會(續)
原文表記
●海外交易調査會(續)
六 輸入后需要の狀况 當時は其需要ハ多額ならされとも直輸入するに至れハ其價額も滅するを以て其需要は漸々増加するへし即ち其價格の如何に依りて大に其需要に影響を及ふすものなり
阿南纃トンビヤン綛の需要者ハ那覇首里にあれとも前途へたるか如く其價額の滅するに至れは追々各地方に需要あるに至るべし
附比嘉氏の談 福州にチャーラ木綿と稱し地厚き木綿にして白地あり紺染せしものあり足袋の表に適すへし其價額は紺染せしものは一反一圓五六錢なり獎來福州邊より本縣へ輸入の望ある織物之等なるへし
チャーラとは福州城のチャーラ門と稱する門外にある地名にして此地於て多く製造せらるヽものなり
七 輸入の方法及其利益 織物も茶と殆んど同樣なれは茲に略す
雑貨
一 傘
傘の種類 傘は種類として掲くるものなし然れとも色は黑と靑及繪あるものあり又大中小あり其内日傘と雨傘あり
産地 福建省福州府福州縣台保境にして琉球舘所在地なり繪あるものは南台にて製造す
此志那傘は支那にて使用するものにあらす沖繩向として特に製造するものにして現今福州に於て製造するもの一軒あり原價大凡そ大は二十二三錢小は十五六錢なり
集散地 今日本縣へ輸入する傘は福州より上海を經て大坂に輸入し再ひ之を本縣へ輸入す取引の狀况は茶に同し價額は一本に付何錢とす從來ハ一圓に付何本として賣買せり
運搬の方法 附荷造 運搬方法ハ茶と同し荷造ハ大なる傘ハ百四五十本小なるハ二百四五十本入を一函とす
輸入額時期 年々輸入する傘は一万本内外にして其價額凡そ三千圓なり其時節一定せず
輸入后の狀况 今日の狀態洋傘を多く用ゆるに至りたるを以て年々漸々減少すへし但し女用及地方向は尚望あり
現代仮名遣い表記
●海外交易調査会(続)
六 輸入後需要の状況 当時は其需要は多額ならされとも、直輸入するに至れば、其価額も滅するを以て、其需要は漸々増加するべし。即ち其価格の如何に依りて、大に其需要に影響を及うすものなり。
阿南纃トンビヤン綛の需要者は、那覇首里にあれとも前途へたるか如く、其価額の滅するに至れは、追々各地方に需要あるに至るべし。
附比嘉氏の談 福州にチャーラ木綿と称し、地厚き木綿にして白地あり。紺染せしものあり、足袋の表に適すべし其価額は、紺染せしものは一反一円五六銭なり。将来福州辺より本県へ輸入の望ある織物之等なるべし。
チャーラとは福州城のチャーラ門と称する、門外にある地名にして此地於て、多く製造せらるるものなり。
七 輸入の方法及其利益 織物も茶と殆んど同欄なれは茲に略す
雑貨
一 傘
傘の種類 傘は種類として掲くるものなし、然れとも色は黒と青及絵あるものあり。又、大中小あり其日傘と雨傘あり。
産地 福建省福州府福州県台保境にして、琉球館所在地なり。絵あるものは南台にて製造す。
此志那傘は支那にて、使用するものにあらす。沖縄向として特に製造するものにして、現今福州に於て製造するもの一軒あり。原価大凡そ、大は二十二三銭、小は十五六銭なり。
集散地 今日本県へ輸入する傘は、福州より上海を経て、大坂に輸入し、再び之を本県へ輸入す。取引の状況は茶に同し価額は、一本に付何銭とす従来は一円に付、何本として売買せり。
運搬の方法 附荷造 運搬方法は、茶と同し荷造は、大なる傘は百四五十本。小なるは二百四五十本入を一函とす。
輸入額時期 年々輸入する傘は一万本内外にして、其価額凡そ、三千円なり。其時節一定せす。
輸入後の状況 今日の状態洋傘を多く用ゆるに至りたるを以て、年々漸々減少すへし但し、女用及地方向は尚望あり。